Jean de la Fontaine

LES AMOURS DE PSYCHE ET DE COUPIDON

suivies de

ADONIS


huit gravures de Moreau le Jeune


le club français du livre, Paris


1964



ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ

プリュケーとクピドーの愛、アドーニス



210ページ  21.5 x 18.5 cm

パリ、ル・クルブ・フランセ・デュ・リーヴル


1964年



 17世紀フランスの詩人、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ (Jean de la Fontaine, 1621 - 1695) がギリシア神話に基づいて書いた作品「プシュケーとクピドー(エロース)の愛」("les amours de Psyché et Coupidon") 及び「アドーニス」 ("Adonis")。高品質の本で有名な出版社、「ル・クルブ・フランセ・デュ・リーヴル」(le club francais du livre, 8, rue de la Paix, Paris フランス愛書クラブ)から 1964年に出版された美しい本。薄紫色の布によるクロス装です。表紙には一部が接した二個の楕円が型押しされていて、クピドの翼が開いたように見えます。楕円の中にはふたりのクピドがいて、手に花環を持っています。


 本の中身は、本文とは別に、18世紀の版画家ジャン=ミシェル・モロー (Jean-Michel Moreau, dit Moreau le Jeune, 1741 - 1814) によるクラシカルなエングレーヴィング八葉を収めます。

 ジャン=ミシェル・モローは、パリのエングレーヴァー、ルイ=ジョゼフ・ル・ロラン (Louis-Joseph Le Lorrain, 1715 - 1760) の弟子で、多くの作品を遺したエングレーヴァーです。いったん忘れられた存在になっていましたが、ゴンクール兄弟 (Edmond de Goncourt, 1822 - 1896, Jules de Goncourt, 1830 - 1870) によって再評価されました。


 この本を出版した「ル・クルブ・フランセ・デュ・リーヴル」は 1946年、パリに創業しました。本の内容の割り付けから装丁に至るまでを監修する専門職の人を、フランス語でマケット (maquette) といいますが、「ル・クルブ・フランセ・デュ・リーヴル」にはフランスでも有数のマケットが集まり、1960年代の初め頃までは芸術的なまでに美しい本で定評がありました。1960年代の半ば以降、同社は財政難に陥り、同社の本は他社の本に比べてとりわけ品質が高いとも言えなくなってしまいますが、それでも 1970年以前には、ときに大きな底力を感じさせる本を出しました。本品はそのような本のひとつで、同社「友の会」会員のために、市販本とは別に発行された特別装丁本 10,000部のうちの一冊(シリアル番号 9391番)です。「ル・クルブ・フランセ・デュ・リーヴル」最盛期の名残ともいうべき美しい工芸本です。

 およそ50年前の古い本ですが、保存状態は良好です。背が褪色していますが、中身は綺麗です。見返しに一箇所、小さな書き込みがあります。特筆すべき問題はありません。





7,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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